モントークで鱈釣ってピルピル。
「De_De Labo 四国」のmachiです。
ニューヨークでは、こんな感じで、真冬の海に出て、マッチョなおじさん達に混じって釣りしてました。
極寒とはこのこと……と思ってましたが、その後、真冬のガチガチに凍ったロシアの湖でアイスフィッシングをするという「これでもか冬の釣り」を極めさせてもらうことになることになろうとは、この時思ってませんでしたが。
まぁ、そんなこんなで、ニューヨークは世界のお洒落な人も集まってますが、ごく普通のニューヨーカーはとっても釣りが好きです。特に冬の釣り船は、けっこう混んでるんです。みんなビール飲みながら、薄着で釣りをします………マイナス10度ぐらいの甲板で。どういう皮膚と内蔵をしてるのか常に不思議だった……。
鱈釣りの場合は、釣り船が結集するのは州の海域を越えて、合衆国の海域なので、ニューヨーク州を始め、ロードアイランド州、コネチカット州、マサチューセッツ州あたりから船が集まります。
夜中、乗船して、翌日の夜明けから釣りが始まります。………まぁ、うねりとか凄いわけで、船ごと波をかぶることもしばしばありましたが、まっ、今となっちゃいい思い出なわけで。
自分で釣った鱈をさてどうやって食べるか。アメリカではフィッシュチップが一般的です。しかし、誰が食べても旨いと言ってくれたのが、スペインはバスク地方の料理「ピルピル」です。
このピルピルって料理、簡単に言えば「鱈のオリーブオイル煮」ってところでしょうか。ガーリックオイルを作り、皮付きの鱈の切り身をフライパンに入れて、極弱火で煮るだけ。魚は事前に塩水に漬けて身を締めておいた方が料理しやすい。塩を振りかけるのはどうかなぁ……ってのは、鱈は体の殆ど水分で、脂が少ないため、すぐ塩が浸透してしまい、仕上がりがしょっぱくなります。これポイントです。
そして、この料理は鱈の身だけじゃできません。絶対に皮付きであること。皮はたくさん付いてれば付いてるほどいいです。本場スペインでは、干しダラを数日かけて水で戻して作ります。だけど、生でも十分できるっ!ってのが私の持論。料理本通り作る必要はないとか思ってます、おいしけりゃ。
なぜ、皮が必要であるか? それは、鱈をオイルで煮てる時に、皮からゆっくりと魔法のエキスが出るんです。身を程よいところでフライパンから引き揚げ、残った魚汁を一気にかき混ぜてください。手を休めてはいけません。混ぜます混ぜます………すると……だんだん透明の魚汁がミルク色になってきます。これを乳化と言います。それを先ほど煮た鱈にからめてできあがり。
味付けは基本的に塩と胡椒だけ。最後にレモンをぎゅっと絞って、さぁいただきます。
サイドに茹でた菜の花や、スライスしたフライドガーリックなんかを添えると、華やかな感じになります。私は叩いた黒オリーブなんかもパラリと。何をのっけてもサマになります。
(Text: Machiko Gunji De_De Labo四国)
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